前回の記事では、SpaceXの事業内容、業績、IPO評価額について整理しました。
今回はその続編として、IPO後の株価に大きな影響を与える可能性があるロックアップ解除について考えます。
SpaceXは夢のある企業です。
Starlink、Starship、AI・宇宙データセンター構想、どれも魅力的です。
しかし、株価は夢だけで動くわけではありません。
IPO後の株価には、需給が大きく影響します。

その中でも特に注意したいのが、ロックアップ解除です!
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ロックアップとは何か
ロックアップとは、IPO前から株を持っている創業者、役員、従業員、初期投資家などが、上場後すぐに株を売れないようにする制限のことです。
もし上場直後に、創業者や初期投資家が一斉に株を売ったらどうなるでしょうか。
当然、売り注文が大量に出ます。
その結果、株価が大きく下がる可能性があります。
そのため、多くのIPOでは、上場後90日や180日など、一定期間は内部株主が売却できないようにします。
要するにロックアップは、上場直後の売り圧力を一時的に抑える仕組みです。
ただし、逆に言えば、ロックアップが解除されると、それまで売れなかった株が市場に出てくる可能性があります。
SpaceXのロックアップは通常より複雑
SpaceXの場合、通常のIPOでよくある「180日後に一斉解除」ではなく、段階的な解除が報じられています。
Morningstarは、SpaceXのロックアップについて、
上場後70日、90日、105日、120日、135日にそれぞれ7%ずつ売却可能になり、第3四半期決算後に追加で28%、残りが180日後に解除されると報道しています。
Reuters Breakingviewsも、SpaceXのロックアップは売り圧力を一度の津波ではなく、継続的な波に変える構造だと指摘しています。
解除スケジュールの目安
SpaceXの上場日を2026年6月12日とすると、日数ベースでは以下のイメージです。


特に、見るべき3つの解除日は以下となります。
ロックアップ解除はなぜ株価に影響するのか
ロックアップ解除が株価に影響する理由は、「売れる株が増えるから」です。
IPO直後は、市場に出回る株数が限られています。
そのため、人気が集中すると株価は上がりやすくなります。
しかし、ロックアップが解除されると、それまで売れなかった従業員、初期投資家、ベンチャーキャピタルなどが株を売れるようになります。
特にSpaceXのように、長年未上場だった企業では、上場前から株を持っていた人たちの含み益が非常に大きい可能性があります。
こうした人たちにとって、IPOは大きな換金機会です。
従業員については、会社に不満があるから売るのではありません。
単純に、人生の資金計画として売る人もいると思います。
つまり、ロックアップ解除後の売りは、会社の将来性を否定する売りとは限りません。
しかし、市場では結果的に「売り注文」として出てきます。
ここが株価に影響を与えます。
SpaceXの場合、売り圧力は一度ではなく何度も来る可能性あり
通常のIPOでは、180日後にロックアップ解除が集中することが多いです。
その場合、投資家は、「180日後に大きな売り圧力が来るかもしれない」と考えます。
しかしSpaceXの場合は、段階的に解除される仕組みです。
これは一見すると、良い仕組みに見えます。
一度に大量の株が出てくるより、少しずつ出てくる方が市場への衝撃は小さくなるからです。
ただし、別の見方もできます。
一度の大きな売り圧力ではなく、何度も売り圧力が来る可能性があります。
つまり、津波型ではなく、波状型です。
上場後70日、90日、105日、120日、135日、第3四半期決算後、180日後・・・
このように、節目ごとに市場が警戒しやすくなります。
ロックアップ解除前に起きやすい株価の動き
ロックアップ解除が近づくと、株価にはいくつかの動きが出やすくなります。
その① 先回り売り
投資家は、ロックアップ解除後に売りが出ると考えると、その前に売っておこうとします。
すると、実際の解除前から株価が弱くなることがあります。
その② 解除後の安心感での反発
ロックアップ解除が警戒されていたものの、実際には思ったほど売りが出なかった場合、株価が反発することもあります。
その③ 決算とセットで評価される
SpaceXの場合、Starlinkの利益率、AI部門の赤字、Starshipの進捗など、決算内容が非常に重要です。
ロックアップ解除の時期に良い決算が出れば、売り圧力を吸収できるかもしれません。
逆に、悪い決算や成長鈍化が出れば、ロックアップ解除による売り圧力と重なり、株価が大きく下がる可能性があります。
個人投資家はどう考えるべきか
SpaceX株はとても魅力的です。
しかし、ロックアップ解除が段階的に控えている場合、上場後しばらくは株価が大きく動きやすい可能性があります。
私なら、次のように考えます。


つまり、ロックアップ解除は「怖いから買わない」という話ではありません。むしろ、良い企業を冷静に買うための観察ポイントだと思います。
ロックアップ解除後は買い場になるのか
ロックアップ解除後は、買い場になる可能性もあります。
理由は、売りたい人が売り終わると、株価が落ち着くことがあるからです。
特にSpaceXのような人気企業では、ロックアップ解除で株価が下がったとしても、長期投資家が買いに入る可能性があります。
ただし、必ず買い場になるわけではありません。
ロックアップ解除で下がった株価が、そのまま下落トレンドに入ることもあります。
特に注意したいのは、次のようなケースです。
この場合、ロックアップ解除は単なるきっかけにすぎません。
本質は、株価が高すぎたことです。
SpaceXは、間違いなく世界でもトップクラスに夢のある企業です。
しかし、IPO後の株価を見るうえでは、事業の将来性だけでなく、ロックアップ解除による需給も重要です。
上場直後は、売れる株が限られているため、人気が集中すれば株価は上がりやすくなります。
しかし、ロックアップが解除されると、従業員、初期投資家、ファンドなどが株を売れるようになります。
私は、IPO直後に飛びつくよりも、ロックアップ解除、決算、Starlinkの利益率、AI投資の回収可能性を見ながら、冷静に判断したいところです。
すごい会社を、すごい価格で買ってしまう・・・これがIPO投資で一番怖いところだと思ってます。
SpaceXについても、夢は見つつ、株価は冷静に見ていきたいと思います。
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