転職回数が多い人が抱える3つの悩み

こうした不安を抱える人は少なくありません。
実際、リクルートなどの調査でも「転職回数が3回を超えると、約4割の人がマイナス評価を感じた」と答えています。
とはいえ、時代は変わりました。
今や「終身雇用」は崩壊し、転職が「キャリアの通過点」となる時代です。
問題は回数ではなく、「理由と成果」をどう語るかにあります。
この3つの課題を解消すれば、「回数の多さ」はむしろ経験値の豊かさに変わります。
企業が「転職回数」をどう見ているのか?
企業は転職回数を数字で判断しているわけではありません。
私もそうですが、採用担当者が本当に見ているのは、以下の3点です。
一貫性
「軸を持ってキャリアを積んでいるか?」
たとえば、「営業→営業企画→マーケティング」ならスキルの進化として評価されやすいです。
一方、「営業→介護→飲食→事務」のように業種・職種がバラバラだと、軸がないと見られることがあります。
成果
「どんな実績・スキルを残してきたか?」
転職が多くても、それぞれの職場で成果を出している人は高く評価されます。
「2社目で年間売上を2倍にしました」「3社目で新規事業を立ち上げました」など、数値やエピソードで語れる人は強いです。
成長ストーリー
「転職のたびに、何を学び、どう成長したか?」
採用担当者は過去よりも成長曲線を見ています。
経験を重ねて今の専門性を築いた人は、回数に関係なく信頼されます。

「なぜ辞めたか」よりも、「なぜ次に進んだか」が重要です!
転職回数が多くても「魅せ方」で変わる!

採用担当者が本当に知りたいのは、「なぜ転職を繰り返したのか」ではなく、「その中で何を得て、どう成長したのか」です。
同じ5回転職した人でも、一貫した目的でステップアップしてきた人と、行き当たりばったりで転職した人とでは、印象が全く違います。
転職が多い人ほど、「語り方」を戦略的に設計する必要があります。
企業が納得し、むしろ高く評価される4つの「魅せ方の型」を紹介します。
その① スキル軸でまとめる:成長の軸でストーリーを作る
転職の数を、スキル成長の軌跡として見せるのが効果的です。
この手法は、特に業界・職種が近い転職を重ねてきた人に有効です。
悪い見せ方の例
これだと「同じような職種を転々としてる」と見られる可能性があります。
良い見せ方の例
「営業経験で培った顧客課題の把握力を活かし、営業企画職として戦略設計に挑戦。その後、マーケティング部門にてデータ分析と顧客戦略を統合する経験を積みました。」
このように、職種の変化をスキルの進化として語ることで、「転職回数が多い=成長意欲が高い」と変換できます。

「キャリアテーマ」を一文で定義(例えば、「課題解決」「顧客価値」「仕組み化」等)し、転職の流れを「そのテーマに沿った成長ストーリー」で繋ぐイメージです。「軸×成長」の構成にすることで、転職回数が「積み上げ」に変わっていきます!
その② プロジェクト単位で整理する:成果で魅せる
転職回数が多い人ほど、「成果ベース」で整理するのがおすすめです。
職務経歴を時系列で見せるのではなく、プロジェクト実績集として見せるイメージです。
| プロジェクト名 | 所属会社 | 期間 | 成果 |
|---|---|---|---|
| 新規開拓営業プロジェクト | A社 | 2017~2018年 | 売上120%達成、顧客基盤拡大 |
| 商品リブランディング企画 | B社 | 2018〜2020年 | 商品リピート率150%向上 |
| Web広告最適化施策 | C社 | 2020〜2022年 | CPA30%改善、CV数1.5倍 |
このように整理すれば、見る側は「転職回数」よりも「成果と貢献」に目が行きます。
また実際の職務経歴書文例として・・・
「複数の企業にて、業界・商材は異なりますが、いずれも“顧客課題の解決”という共通テーマのもと、成果を出してきました。」
と記載すると、「回数が多い=応用力がある」と印象付けられます。

数字(%・件数・金額)で成果を可視化、また転職ではなくプロジェクトを単位で語りましょう。成果が明確なら「短期離職」でも評価対象になります!
その③ 成長ストーリーで語る:「過去→現在→未来」を一貫させる
面接では、過去の転職を「逃げ」ではなく「挑戦」としてストーリー化するのが鉄則です。
企業は結果よりも成長プロセスを重視します。
良い構成パターンは
また実際の語り方として・・・
「営業として個人目標を追う中で、“組織として成果を出す仕組みづくり”に関心を持ちました。 その経験を活かして営業企画に挑戦し、データ分析・戦略設計のスキルを磨きました。 今後は、これらのスキルを統合し、マーケティング領域で事業成長をリードしたいと考えています。」
のように語ると、「行き当たりばったり」ではなく「目的意識のある転職」に聞こえます。

過去の転職を「学び」や「目的」に変換し、なぜ次に進んだのかをポジティブに語りましょう。「転職を繰り返して得た経験を、今後どう活かすか」まで一貫させることが重要です。
その④ 面接では「転職の軸」を明確に語る
どれだけ経歴を整理しても、面接で軸がブレると一気にマイナスになります。
これを防ぐには、キャリアの軸を一文で語れるようにすることです。
- ステップ1自分が大切にしている価値観を抽出
- ステップ2それが過去の転職にどうつながったか整理
- ステップ3今回の応募先が、なぜその軸に合致するのかを説明
面接での回答例として・・・
「私は“課題解決を通じて人や組織を成長させる”ことを軸にキャリアを歩んできました。営業では個人課題の解決、企画では組織課題の改善に携わり、今回は事業全体に貢献できるポジションに挑戦したいと考えています。」

軸はスキルではなく、価値観で作るとブレにくいです。過去・現在・未来のキャリアを一本の線でつなぎましょう!
短期離職を実験と学びに変える回答
短期で辞めた職場があることで躊躇する人も多いですが、経験の一部として整理すれば評価される可能性があります。
「思っていた仕事内容と違って…」
→ リサーチ不足や忍耐力がないと見られる可能性があります。
「新しい環境でスピード感を持って動くことを学びましたが、長期的なキャリアを考えた際には、より専門性を深める環境が必要と感じました。」
→ 「経験を通して自分の方向性を明確にした」と伝わり、ポジティブに変換できます。
「転職多め」でも光る印象に変えるフレーズ集
転職が多い人が“印象を好転させるフレーズを紹介します。
これを職務経歴書や面接で使うだけで、受ける印象が変わります。
| シチュエーション | 悪い言い方 | 魅せ方に変える言い方 |
|---|---|---|
| 転職理由 | 「会社が合わなかった」 | 「新しい環境でスキルを広げたかった」 |
| キャリアの一貫性 | 「いろいろやってきました」 | 「課題解決という軸でキャリアを積んできました」 |
| 成果 | 「努力したが結果がでなかった」 | 「改善余地を分析し、次の職場で活かした」 |
| 転職全体 | 「回数が多いのがコンプレックス」 | 「多様な環境で培った適応力が強みです」 |
職務経歴書で、多すぎる経歴を整理するコツ
転職回数が多い人がまず意識すべきは、職務経歴書=過去の記録ではなく、「自分を採用してもらうためのプレゼン資料」だということです。
採用担当者は、平均して1通の職務経歴書を1分程度で判断します。
つまり、長くても読まれません。
だからこそ、「全部を書く」よりも「伝わるように削る」ことが大切です。
よくある失敗パターン
10社分の経歴がダラダラ続くと、読み手が途中で離脱します。 どの仕事で何を成し遂げたのかが伝わらず、「結局この人は何が得意なの?」という印象になります。
半年以内の離職を削除すると「経歴詐称」にあたる場合もありますので注意です。
一見わかりやすそうですが、「成長軸」や「スキルの一貫性」が見えにくくなります。「キャリアに一貫性がない」と誤解されやすいパターンです。
多すぎる経歴を整える4つのテクニック
先ほどの4つの魅せ方の型に以下のテクニックを加えることで、より整理できます。
半年以内の職歴は、詳細を書かず「要約1行」でOKです。大事なのは「隠さず・引きずらず・軽く流す」ことです。
在籍期間ではなく、成果がある経歴を厚く書くのがコツです。「3年いたけど印象が薄い会社」よりも、「1年で結果を出した会社」をしっかり書く方が伝わります。
経歴が多いほど、スキルの全体像がぼやけやすい。 一覧表にして「この人は何ができるか」を即伝えるのが効果的です。
| スキル領域 | 経験年数 | 実績・成果 |
|---|---|---|
| 法人営業 | 5年 | 新規契約数150%増 |
| マーケティング | 3年 | Web広告CPA改善30% |
| 事業企画 | 2年 | 新規サービス立ち上げ |
「経験の多さ」が「多様な強み」として映ります。
職務経歴書の冒頭に、自分のキャリアを100〜150文字で要約した「サマリー」を入れるだけで、印象が一気に良くなります。
例えば・・・
営業×マーケティングを軸に7社で成果を積み重ね、顧客課題の発見から戦略立案・実行までを一貫して担当。現在は事業企画としてマーケ戦略全体を統括。
読みやすい構成のテンプレート
以下の構成で仕上げてみましょう。
自分のキャリア軸・得意分野を要約
得意スキルを3〜5項目で整理
数値+具体的成果で魅せる 若しくは プロジェクト実績集でまとめる
会社名・期間・役職・成果を簡潔に
転職の目的と一致する強みを補足
具体的なレイアウト例は・・・
【キャリアサマリー】
営業×企画の経験を軸に、業界横断で顧客課題の解決を推進。 成果データを基に戦略立案・実行まで担う。
【スキルマトリクス】
| スキル領域 | 経験年数 | 実績・成果 |
|---|---|---|
| 法人営業 | 5年 | 新規契約数150%増 |
| マーケティング | 3年 | Web広告CPA改善30% |
| 事業企画 | 2年 | 新規サービス立ち上げ |
【主要実績】
- 売上前年比120%達成(A社)
- 新規顧客150社開拓(B社)
- 広告CPA改善30%(G社)・・・
若しくはプロジェクト実績集
| プロジェクト名 | 所属会社 | 期間 | 成果 |
|---|---|---|---|
| 新規開拓営業プロジェクト | A社 | 2017~2018年 | 売上120%達成、顧客基盤拡大 |
| 商品リブランディング企画 | B社 | 2018〜2020年 | 商品リピート率150%向上 |
| Web広告最適化施策 | C社 | 2020〜2022年 | CPA30%改善、CV数1.5倍 |
【職務経歴】
- 2012〜2014 株式会社A 法人営業 ・・・
- 2014〜2016 株式会社B 営業リーダー ・・・
【資格・スキル・自己PR】
- 基本情報技術者・・・
- 営業経験で培った顧客課題の把握力を活かし、営業企画職として戦略設計に挑戦。その後、マーケティング部門にてデータ分析と顧客戦略を統合する経験を積みました・・・
面接で「転職回数が多いですね」と言われたときの回答例
面接で「転職回数が多いですね」と言われた瞬間、多くの人がドキッとします。
「やっぱりマイナスに見られてる…」 「どう答えれば正解なんだろう?」
しかし実際は、これは落とすための質問ではなく、「あなたの考え方を知る質問」です。
採用担当者はあなたを試しているのではなく、「この人は、転職をどう受け止め、どう活かしてきたか」を見ています。
つまり、回答次第で印象は180度変わるのです。
採用担当者の本音を理解する
採用担当者の視点の裏にある心理を理解しましょう。
| 採用担当者の視点 | 意味するところ |
|---|---|
| またすぐ辞めないかな? | 定着率・安定性を確認したい |
| 一貫性がある人かな? | 転職に軸があるかを見たい |
| 学びがある人かな? | 多くの経験をどう活かすかを知りたい |
| 前職の悪口を言わない人かな? | ネガティブマインドかをチェック |

つまり、転職回数よりも、姿勢と説明力を見ています。 ここを理解しておけば、質問を逆に「強みに変える」チャンスにできます。
回答の黄金構成「3ステップ・ポジティブトーク法」
転職回数が多い人に最も効果的な構成は、シンプルに次の3ステップです。
- STEP1理由を端的に伝える(過去)
「キャリアアップのため」「スキルの幅を広げるため」など ネガティブではなく意図のある行動として説明します。
- STEP2そこから得た学び・成果を述べる(現在)
「多様な環境で課題解決力・柔軟性を磨けた」など、 結果的にプラスになったことを示します。
- STEP3今後の軸・方向性を明確にする(未来)
「これまでの経験を活かして、長期的に貢献したい」 。最後は安定と貢献で締めましょう。
悪い回答と良い回答の比較
| 質問 | 悪い回答例 | 良い回答例 |
|---|---|---|
| 「転職回数が多いですね?」 | 「合わない職場が多くて…」 | 「より自分の強みを活かせる環境を探してきました。」 |
| 「なぜ短期間で辞めたのですか?」 | 「上司と合わなくて…」 | 「想定していた業務内容と実際の仕事内容にギャップがありましたが、その中で自分が得意とする領域や、より活躍できる環境を見極めることができました。 現在はその経験を踏まえ、長期的に成果を出せる環境を慎重に選んでいます。」 |
| 「今度は長く続けられますか?」 | 「頑張ります」 | 「これまでで軸が明確になり、御社の方向性と合致しています。」 |
面接前に準備しておく「回答テンプレート3選」
「私のキャリアの軸は課題解決です。 これまでの転職も、より大きな課題に挑戦するためのステップでした。 多様な環境を経験したことで、柔軟に対応し成果を上げる力を磨けました。」
「確かに転職は多いですが、1社ごとに新しいスキルと成果を積み上げてきました。 今では変化に強いリーダーとして即戦力になれると自負しています。」
「若い頃は自分の適性を模索していましたが、今では自分の強みが明確になりました。 今後はその強みを長期的に発揮できる環境を探しています。」
転職回数はマイナスではなく経験値!

転職回数が多いことは、恥ずかしいことではありません。
むしろ、変化を恐れずに行動してきた証です。
大切なのは、「多いこと」ではなく「意味を持たせること」です。
そのためには次の3つを意識しましょう。
次の転職こそ、「自分の強みを最大化できる職場」を選びましょう!
にほんブログ村





コメント