退職が決まると、気持ちの整理より先に「手続き」が襲ってきます。
しかも厄介なのが、期限が短いもの(14日/20日)と、後からドカンと来るもの(住民税)が混ざっていることです。
退職後、やることの優先順位!

- No.1健康保険の行き先を決める(最優先)
- No.2年金の切替(空白がある人)
- No.3失業保険(雇用保険)
- No.4住民税(ここ重要!)
- No.5税金(年末調整/確定申告)
退職後、やることロードマップ(0〜90日)
迷わないために「時系列」でみてみましょう。
| タイミング | やること | 重要度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 退職前〜最終出社 | 会社からの書類を揃える(離職票・源泉徴収票など) | ★★★ | 退職前に会社に確認 |
| 退職後0〜7日 | 健康保険の行き先決定(任意継続/国保/扶養) | ★★★ | 早いほど良い |
| 退職後〜14日 | 国保の届出(国保の場合)、国民年金の切替 ※任意継続の場合は20日以内 | ★★★ | 14日以内案内が多い |
| 離職票が届いたら | ハローワーク:求職申込+離職票提出→受給手続き | ★★★ | 待機期間や給付制限もあるので、早め推奨! |
| 1〜3か月 | 住民税の支払い方法確定、確定申告の要否整理 | ★★ | 請求に備え資金確保 |
退職前、やることチェックリスト!
会社から受け取る書類チェック
退職後にバタつかないため、必要書類を以下のリストでチェックしておきましょう!
退職後の支出額をチェック!
詳細は後述してますが、退職後に以下の支出が考えられます。

退職後に無職(FIRE)やフリーランス(サイドFIRE)となった場合、年間約115万円が掛かってくるので注意が必要です!
やはりバリスタFIREから始めるのが現実的ですね!
健康保険 任意継続/国保/扶養の最適解
退職後、健康保険は自動で継続できません。
選択肢は基本3つです。
- 任意継続(会社の健康保険をそのまま続ける)
- 国民健康保険(国保)
- 家族の健康保険の扶養(被扶養者)
健康保険 迷ったらこの順で決めよう!
- Step1扶養に入れるか?(入れるなら最優先で確認)
- Step2入れないなら、任意継続(20日以内)と国保(14日以内)を試算してみる
- Step3試算後、安い方に加入!
このステップで詳細を見ていきます。
扶養に入る 最安になりやすいが確認が必須!
退職後の健康保険で、支払いを最小化しやすいのが「家族の扶養」です。
ただしここで多い勘違いが「今年の年収が130万未満ならOKでしょ?」という認識です。
扶養判定は「見込み収入」が基準!
日本年金機構の説明では、年間収入は「過去の収入」ではなく、認定時点および認定後の見込み収入とされています。
また協会けんぽも被扶養者の収入要件(130万円未満等)を明示しています。そして・・・
失業給付は収入に含まれる!
日本年金機構は、被扶養者の収入に 雇用保険の失業等給付も含まれると明記しています。
そして重要なのが、雇用保険の受給者の目安であり、「雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下」 という基準が示されています。
つまり基本手当日額が基準額以上になる人は、受給開始後は扶養に入れない(一旦入っても外れる)可能性が高いです。
また基本手当日額が基準額以上になる人が扶養に入れる期間の目安は、「退職の翌日」〜「給付制限が終わる前日」となります。
具体的には、退職翌日にハロワで手続き→待期7日+給付制限1ヶ月=約37日です。
基本手当額が基準以上になる可能性のある人は、扶養に入れる期間が短いので、任意継続若しくは国保を検討した方がよいと思われます。
任意継続 20日以内が勝負!
任意継続の加入条件は、協会けんぽの案内では以下となってます。

任意継続の落とし穴として「退職して落ち着いてから…」で20日を超えると原則アウトになります。 また保険料の納付遅れで資格喪失…などもあるため、支払い管理が大事です。
国民健康保険(国保) 14日以内が基本!
国保の届出は、市区町村の窓口です。
多くの自治体が「14日以内」を案内しています。

手続きが遅れると、医療機関で一時的に全額自己負担になったり、保険料が遡って来たりしますので、注意しましょう!
任意継続 vs 国保:どっちが得か?

退職後に一番多い悩みがこれです。
また期限にも注意が必要です!
- Step1任意継続の保険料を把握
協会けんぽなら都道府県別の保険料がこちらで確認できます。
- Step2国保の保険料を把握
- Step3比較は1年単位で見る
私の場合の比較表を作成しました。
- 年収600万円(月額報酬417,000円 賞与500,000円×2)
- 私と妻(扶養)の2名
- 50代(介護保険支払有)
| 項目 | 任意継続 | 国保 |
|---|---|---|
| 保険料の決まり方 | 標準報酬月額×保険料率(任意継続は全額自己負担) | (前年総所得−基礎控除)×所得割+均等割×人数+平等割(介護分あり) |
| 妻の保険料 | 追加なし | 2人分の均等割がかかる |
| 年間保険料(概算) | 437,376円 | 567,800円 |
| 月平均(概算) | 約36,448円 | 約47,300円 |
この前提だと「任意継続」のほうが約130,400円/年(約10,900円/月)安いという結果でした。
国民年金(空白がある人は必須) 退職翌日から14日以内!
退職して切れ目なく次の会社にすぐ入るなら、厚生年金のままでいけます。
一方で、入社まで空白があるなら国民年金の手続きが必要になります。
日本年金機構の案内では、国民年金の加入手続き(資格取得届)の提出期限は 「退職日の翌日から14日以内」となっています。
夫婦とも退職して「国民年金(第1号被保険者)」として加入するなら、保険料は1人あたり定額で、夫婦は2人分かかります。
また納付期限は原則「納付対象月の翌月末」です。
失業保険(雇用保険)
失業保険は「お金の安心」と「再就職の戦略」の両輪です。
流れをざっくり見てみましょう。
- Step1ハローワークで求職申込み&離職票提出(受給資格決定)
離職票が届かない場合は、前勤務先に発送状況を確認しましょう。「求職申込+離職票提出」が全ての起点です!
- Step2待期:7日(一律)+給付制限:原則1か月
- Step3失業認定
支給(口座入金は認定日から概ね1週間程度の案内が多い)
【重要】教育訓練で給付制限が解除される場合がある!
厚労省は「令和7年4月以降、教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され基本手当を受給できる」旨を案内しています。
自己都合退職でも条件を満たせば 「給付制限(原則1か月)をスキップ」できます(ただし待期7日は残ります)。
自己都合退職は通常、受給資格決定日 → 待期7日 → 給付制限(1~3か月)の順で「給付制限」の間は基本手当が出ません。
しかし改正により、一定の教育訓練を受けている(受けた)場合は、給付制限が解除されて、待期7日が終わったら支給対象になります!
対象になる「教育訓練等」は何?
厚労省リーフレットで、対象は次の4カテゴリとされています。
※「教育訓練給付金の対象講座」は、こちら(厚労省)で調べられます。
いつ受講すれば対象になる?
「受講開始日が2025年4月1日以降の訓練であること」そして次のどちらかに当てはまることです。
いつ受講すれば給付制限が解除される?
「受講開始日が2025/4/1以降の訓練に限る」そして次のどちらかに当てはまることです。
特に重要なのが、離職後に受講する場合の図で 「受講開始日以降、給付制限を受けない」と明記されています。
つまり、受講開始日をいつにするか「給付制限が発生する期間」が変わります。
ハロワークへの申告はいつまで? 必要書類は?
ここを落とすと解除できない、また遅れる可能性が出てくるので重要です。
さらに、給付制限中でも「認定日の相当日」までに申し出れば、受講開始日以降を支給対象にできる趣旨の説明があります。※詳しくは「こちら(厚労省)」
また必要書類については、以下となります。

教育訓練で転職への足掛かり+給付制限解除で生活費の確保!上手く活用しましょう。
住民税 退職月で支払い方法が変わる(要注意)

退職後の「想定外の出費」トップクラスが住民税です。
通常、住民税は、会社員なら原則 6月〜翌年5月の12回に分けて給与から天引き(特別徴収)されます。
退職すると、この天引きが続けられないため「残りをどう払うか」が退職月で変わります。
東京都主税局の事務手引きや区の案内では、退職時期で次のように整理されています。
| 退職の時期 | 退職後の支払い方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 6/1〜12/31に退職 | 原則「普通徴収」へ切替(自治体から納付書が来て自分で払う)/本人が希望すれば「一括徴収」も可 | 自分で払うになる可能性が高い |
| 翌年1/1〜4/30に退職 | 原則「一括徴収(必須)」:5/31までに支払われる給与・退職金から残りをまとめて天引き | 手取りが急減しやすい |
私の場合(年収600万円 妻所得無し)のシミュレーションをした結果、住民税の概算は、年間約28万円となりました。
給与所得控除:年収600万×20%+44万=164万→ 給与所得は 436万円
給与所得から上記を引き、所得割10%+均等割5,400円を足します。
年途中退職の確定申告 必要な人・不要な人
年途中退職すると、年末調整が未完了になり不安になります。
しかし国税庁は、給与所得者の多くは年末調整で納税が完了し、確定申告が必要なケースは条件で決まると説明しています。
確定申告が必要になる人
国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」では、代表例として以下が挙げられています。
以下の人はどのような状況であれ確定申告が必要です。
年途中退職で「年末調整を受けていないとき」
国税庁は年末調整されない場合の取り扱いを整理していますが、現実的にはこの2択が多いです。
年内に再就職する(転職先で年末調整できる)
退職した会社の源泉徴収票を転職先へ提出することで、年末調整で精算されることが多いです。
年内に再就職しない(年末調整できない)
確定申告が必要になりますが、源泉徴収されている税金の精算により還付が発生する人も多いです。
退職金がある人
国税庁は、「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人は、原則として確定申告不要としています。
提出していないと、支払額の20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算が必要となります。
退職金の支払者が 退職所得控除を使って「正しい源泉徴収」をするための申告書です。よって、会社退職金なら会社へ、iDeCo一時金なら手続き窓口(記録関連・運営管理機関/金融機関)に提出する運用が一般的です。
退職金がある人 確定申告が必要、不要? 判断フロー
退職金がある人で、確定申告が必要か、不必要か、以下のフローで判断しましょう!
退職後にやることは、優先順位をつけ順序よく!
最優先は、期限が短く戻せないものは、健康保険(任意継続20日/国保14日)と年金の切替です。
次に、生活の土台を作るために失業保険の手続き(待期7日+自己都合は原則1か月)を早めに進め、資金計画を立てましょう。
最後に「あとから効いてくる」のが住民税(退職月で一括/普通徴収が変わる)と確定申告(年末調整の有無・副業・退職金の申告書提出で分岐)です。
この記事のチェックリスト通りに一つずつ進めることで、退職後の手続き不安なくしましょう!
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