40代の転職は難しいと言われてますが、人材を積極的に募集している業界に目を向けて見るのもよいかもれません。
小売業界、飲食業界、運送・タクシー業界、建設業界、IT業界、医療介護業界では特に労働人口減少の影響を大きく受け、人材不足が顕著となってます。
各業界の市場規模や課題をみてみたいと思います。
小売業界の市場規模
経済産業省の商業動態統計によりますと、2024年の小売業販売額は167兆1,530億円と、前年比2.5％の増加しており、4年連続増加となりました。また増加に寄与した業種は飲食料品小売業、次いで医薬品・化粧品小売になってます。
業態別では、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンターのすべての販売額が増加しており市場規模は拡大しています。
小売業界の課題
実店舗のショールーム化、消費者の購買行動が変化している
かつては実店舗で買うことが当たり前でしたが、ECが発達したことによって、いつでも、どこでも買い物をすることができる購買スタイルが広まっています。
また実際に見て触ってみたい商品や高額商品については実店舗で見るが、他企業の運営するECサイトで購入するという流れもあり、実店舗がショールーム化していることも課題となってます。
人材不足が深刻化している
様々な実店舗でセルフレジの導入が進んでいますが、人材不足はまだまだ解消されていません。
一般的に給与が低い、長時間労働の傾向があると言われています。また実店舗は土日祝日も稼働しているケースが多い為、休日がシフト制となり、周囲と休みが合わせづらいなどの理由から転職する人や、そもそも応募する人が少ないとも言われています。
商品が売れにくい
ある意味よいことかもしれませんが、生産技術の発達により長持ちする製品が増えたことで買い替えの頻度が下がったことが挙げられます。またインフレで商品自体の価格が上昇していることも購買意欲の低下に繋がっています。
カーシェアにみられるようなシェアという概念やサブスクリプションという定額使い放題サービスが、所有することから共有することへと意識をシフトさせました。
ネットの普及により即座に情報を得て、比較することが当たり前になったことも商品が売れにくくなった要因と思われます。
飲食業界の市場規模
日本フードサービス協会が2024年9月に発表した外食産業市場規模推計によると、2023年度の外食産業市場規模は24兆1,512億円と推計され、前年比では20.2％と、2年連続で前年度を上回りました。
外食産業の市場規模の内訳としては「食堂、レストラン」「そば、うどん店」「すし店」「その他飲食店の合計が14兆1,313億円ともっとも多く、次いで「宿泊施設」が2兆7,937億円、「喫茶店、居酒屋」は2兆1,044億円となっていました。
インバウンド需要の拡大に加え、価格高騰の影響も続いていることから、2025年以降も業界の市場規模は拡大傾向にあると予想されています。
飲食業界の課題
慢性的な人材不足
休暇が少ない、長時間労働、低賃金、クレーム対応のストレス等の要因で人材不足となっています。
またコロナ禍による人件費削減から流出してしまった人材が戻らずに、慢性的な人材不足になっている飲食店も多くあります。
これらの結果、飲食業界で働くメリットを感じられなくなり、人材が他の業界に流れてしまっています。
原材料費の高騰
電気代や食材費など、必要経費が値上がりしているため、仕入れ先を変えたり、レシピやメニューを変更したり工夫をしています。将来的には値上げに踏み切らなければならない状況となるでしょう。
物流・タクシー業界の市場規模
物流業界の市場規模は、国土交通省の調査では全体で28～29兆円と推計されています。特にトラックの市場規模は年間約19兆円であり、物流市場の2/3を占めます。事業者の多くは企業間の輸送を担当する運送会社ですが、消費者に馴染みのある宅配便も含まれます。
またEC需要の拡大を背景に宅配需要が伸びており、黒ナンバーの車両を利用する貨物軽自動車運送事業も急激に伸長しました。2020年度以降、貨物軽自動車運送事業の事業者数は毎年5%以上の増加率を示しています。
船井総研によると、タクシー業界の市場規模は1990年をピークに減少傾向が続いています。2018年にはピーク時の約60％にまで縮小しており、市場規模は1.6兆円となっています。
しかしコロナ禍の影響による移動需要の減少から回復傾向が見られ、2024年9月時点では、2019年同月比で94.2％まで回復しています。
物流・タクシー業界の課題
慢性的な人材不足
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働時間に上限規制が適用されました。トラックドライバーの長時間労働是正となった一方、ドライバー不足が深刻化してます。
またタクシー業界は高齢化に伴う人材不足が深刻な問題となっています。若い人材も積極的に採用してますが、まだまだ人材は足りていない状態です。
燃料費の高騰
高騰する燃料費にタクシー・物流業界は頭を悩ませています。高騰する燃料費がコストの上昇につながり、業界全体の収益性を圧迫しています。
それぞれのその他の課題
タクシー業界にとって、Mobility as a Service（MaaS）への対応は重要な課題となっています。
国土交通省は、MaaSはスマホアプリ又はWebサービスにより，地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して，複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービス、と定義しており推進しています。
MaaSを通じてタクシーをスマートフォンで事前に予約し利用することで、よりスムーズな移動を体感することができますので、MaaSへの対応が今後タクシー会社の命運を分けると思われます。
物流業界にとって、再配達の増加も大きな課題です。宅配業界では月に20万個以上の再配達が発生しており、これらも輸送効率の悪化につながってます。2024年の調査では、宅配便の個数のうち約10.4%が再配達となっており、輸送の効率低下やトラックドライバーの負担増加の原因となっています。
転職サイトへの登録や転職エージェントに相談してみよう
小売業界、飲食業界、運送・タクシー業界、建設業界、IT業界、医療介護業界についての市場と今後、また現在の課題についてみてみました。
いづれの業界も人材不足となっていますので、人材の採用を積極的に行ってます。特に小売、飲食、運送・タクシー、建築、医療介護業界については、40代の採用も積極的です。
各業界の企業に共通して言えることは、現状の人材不足の解消や人材の定着化のための改善取り組みをしなければ淘汰されていくということです。
口だけではないワークライフバランスの推進、人材不足を補うためのAIやDXの導入等々、積極的に取り組んでいる企業は必ずあるはずですし、そのような企業に転職したいと思いますよね。
どの企業がこの課題に真摯に取り組んでいるのかについては、転職エージェントに相談することで解決できますので、是非複数社に登録、相談してみましょう。
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