私が転職活動を始めた当初、資格を取得さえすれば転職成功が近づくと思ってました。
しかし実際面接を受けた時には、「即戦力」「今までの実務経験」等々を重視される傾向が強かったです。
また転職会社大手のdodaからは、資格必須の求人は15%、資格が「あれば尚可」の求人は8%、残り77%は資格の有無を問わないというデータが出ています。
日々面接を重ねるうちに「資格さえあれば転職できる」ということは幻想であり、むしろ「実務経験 + 資格(スキル補強)」と考えることが現実的であることを痛感しました。
それを踏まえた上で、この記事では「転職市場で相応の評価を受けやすい」「汎用性が高い」「求人ニーズが比較的安定している」などの観点で、私が選んだ資格をランキング形式で紹介します。
資格ランキング TOP15
資格名 | 特長・転職での強み | 補足・エビデンス |
---|---|---|
1位 日商簿記検定 | 企業活動を「数字で読む力」が身につく。経理・財務だけでなく営業・企画などでも評価される。 | 「就職・転職に役立つ資格ランキング」で1位常連 |
2位 TOEIC | 英語力を客観的に示せる指標。グローバル企業・海外取引企業で強みになる。 | マイベストの転職に有利資格ランキングでは1位 |
3位 普通自動車運転免許 | 多くの求人で「普通免許あれば尚可/必須」とされる。営業・配送・フィールド系で有利。 | 求人数ベースで需要資格1位という調査結果あり |
4位 MOS(Microsoft Office Specialist) | Excel・WordなどのPCスキルを証明。事務・営業サポート職で即戦力アピールに。 | 複数の資格ランキングで上位。U-Canほかでも紹介実績あり |
5位 宅地建物取引士(宅建士) | 不動産業界で必置資格。金融・保険・建築業界でも評価されやすい。 | 転職・就職に有利な資格として多くのメディアで上位にランクイン |
6位 ファイナンシャルプランナー(FP技能検定) | お金・ライフプラン知識があり、金融・保険業界、コンサル業界で活用可。 | 「取ってよかった資格」調査で上位にランクイン |
7位 ITパスポート(および基本情報技術者) | DX時代の基礎ITリテラシーを示す資格。非IT職でも評価されることがある。 | 需要のある資格リストに掲載 |
8位 中小企業診断士 | 経営・会計・マーケティングなど幅広い知識を持つ。経営企画・コンサル等で評価されやすい。 | 「取りたい資格」の調査で1位に(スタンダード資格枠) |
9位 社会保険労務士(社労士) | 労務・人事分野の専門性。労働法規・社会保険知識が求められる部門で強み。 | マイベスト転職有利資格で5位以内にあり |
10位 行政書士 | 法務関連の業務・書類作成能力を示す。官公庁・許認可業務での利点。 | 資格人気ランキングで上位に出ることあり |
11位 介護福祉士 | 高齢化社会でニーズが高い。「手に職」資格として安定性がある。 | 需要のある資格リストに掲載 |
12位 看護師 | 医療系の業務独占資格。地域を問わず求人多数。 | 転職で役立つ資格ランキングに看護師がランクイン |
13位 公認会計士 | 会計・監査・財務分野で高度な専門性を持つ。管理職・上場企業での評価が高い。 | TACの人気資格ランキングに掲載 |
14位 司法書士 | 法務・登記関連業務で強み。許認可・司法関連の業務を扱う企業で有用。 | 難しい資格ランキングで1位という扱いあり |
15位 応用情報技術者 | IT業界で中堅クラスに期待されるスペック。IT部門でのキャリアシフトにも。 | 難しい資格ランキングで4位にランクイン |
各資格の詳細・活用の仕方
各資格について転職でどう使えるか、取得のポイントなどを書いていきます。
第1位:日商簿記検定
- 会計・経理の基礎力を証明できる
- 汎用性が高く、業界を問わず「数字を読む」能力として評価される
- 上位級(1級や2級)になると、財務分析・管理会計の知識も備わる
- 事務・経理職:即戦力としてアピール
- 営業・企画職:予算管理・原価管理の理解者として差別化
- 中小企業:社長の近くで経営判断に関わるポジションも可能
- 1級・2級は難易度が上がる。学習時間と戦略が必要
- 簿記だけで高待遇を保証するものではない。実務経験との組み合わせが重要

私は3級で止まっています・・・
第2位:TOEIC
- 言語力を客観的に示す指標
- グローバル企業、輸出入・外資系顧客との取引がある企業で評価される
- スコア別で「600点以上」「730点以上」「860点以上」などが各企業で目安設定されている
- 海外営業、貿易、マーケティング、コンサルティング
- 部署異動・社内昇格時の評価材料
- L&R(読む・聞く)だけでなく、S&W(話す・書く)を要求する求人もある
- 英語使用の機会がない環境ではスキル維持が課題
第3位:普通自動車運転免許
- 営業・フィールド、配送・物流、フィールドエンジニア系ポジションではほぼ必須
- 移動手段を自前で持てることで、選考時「すぐ動ける人材」として評価される
- ルート営業、訪問販売、設備保守、施工管理など
- 地方・郊外勤務なら移動が不可欠な職種も多い
- 運転技術・安全運転の実績が問われる場合あり
- 軽車両以上(中型・大型免許)を求められる求人もある
第4位:MOS(Microsoft Office Specialist)
- Excel・Word・PowerPointなどオフィスツール操作力を証明
- 事務・営業補佐・バックオフィス部門では即戦力として見られやすい
- 一般事務、営業事務、総務、営業サポート
- 資料作成・データ集計を任されるポジション
- 資格としての希少性は高くはないため、実務で使えるレベルが伴ってこそ価値あり
- 資格取得後も定期的にツールの新機能や最新バージョンに習熟が必要
第5位:宅地建物取引士(宅建士)
- 不動産取引における法律・契約知識を持つ専門家と見なされる
- 不動産業界以外では、建築・ハウスメーカー・金融機関(不動産関連)でも評価される
- 不動産仲介会社、ハウスメーカー、不動産管理会社
- 建築会社、銀行の不動産部門、保険会社など
- 試験は年1回、合格率はやや低め
- 法律の記憶量が多いため、継続学習が不可欠
第6位:ファイナンシャルプランナー(FP技能検定)
- お金・税金・保険・不動産の知識を証明できる
- 金融業界・保険業界で歓迎される資格
- 銀行・証券・保険会社
- コンサルタント、住宅営業などど
- 3級は入門、転職で使うなら2級以上が必須
- CFPは国際資格で難易度が高め
第7位:ITパスポート(基本情報技術者含む)
- DX時代の必須リテラシー資格
- IT未経験者でも「基礎は理解している」と示せる
- 事務職→システム担当へのキャリアチェンジ
- IT業界未経験からの入口資格となる
- ITパスポートは難易度低め
- プログラミング経験がないと実務で苦労するケースあり
第8位:中小企業診断士
- 経営・会計・マーケティング・法務などを俯瞰できる能力を示す
- 経営企画・コンサル・事業開発部門での武器になる
- 企業内の新規事業・改善プロジェクト
- 中小企業コンサルタント、独立開業
- 試験科目が多く、合格率4~5%の難関
- 長期的な学習計画が必要
第9位:社会保険労務士
- 経営・会計・マーケティング・法務などを俯瞰できる能力を示す
- 経営企画・コンサル・事業開発部門での武器になる
- 人事・労務担当
- コンサル会社、社労士事務所
- 合格率6%前後。労働法の暗記力が問われる
- 実務未経験では即戦力になりにくい面もある
第10位:行政書士
- 法務系の「街の法律家」資格。契約書・許認可関連業務に強い
- 法務職やバックオフィス職で評価されることもある
- 法務・総務職
- 行政手続きが多い業種(建設・運輸・福祉など)
- 実務経験と組み合わせないと評価が薄いケースあり
- 独立開業も視野に入れれる資格
第11位:介護福祉士
- 高齢化社会で安定需要
- 国家資格であり、転職・再就職が容易
- 介護施設、福祉関連事業所
- 行政機関、医療・福祉法人
- 身体的・精神的な負担が大きい仕事
- 実務経験(3年以上)が受験要件
第12位:看護師
- 医療業界の「手に職」資格。全国どこでも求人あり
- 不況に強く、安定度は抜群
- 病院・クリニック・訪問看護
- 介護施設・福祉関連
- 資格取得までの学習・実習の負担が大きい
- シフト勤務や精神的負担が大きいケースも
第13位:公認会計士
- 会計・監査の最高峰資格、上場企業・監査法人での需要大
- 経営層に近い立場で働ける
- 監査法人、コンサル、上場企業の財務部門
- 独立会計士として開業
- 難関資格(合格率10%前後)、数千時間の勉強が必要
- 資格取得後も実務経験の積み上げが必須
第14位:司法書士
- 不動産登記・商業登記の専門家
- 法務系で高い専門性を持つ
- 法務職、司法書士事務所
- 不動産・建設関連企業
- 合格率は4%程度。超難関資格
- 実務経験がないと企業転職で活かす場面は限られる
第15位:応用情報技術者
- IT人材の中堅レベルを示す国家資格
- プロジェクト管理や設計力を証明できる
- IT企業、社内SE、システム企画部門
- DX推進担当
- 試験範囲が広く、実務知識が求められる
- 実務経験がないと資格だけでは弱い
資格選びのポイント・戦略的な使い方
業界・職種を定めて「必要な資格」を逆算する
資格は目的地を明確にしてから選ぶのが鉄則です。
「資格を取ってから転職を考える」ではなく、「行きたい業界で求められる資格を取る」とい逆算発想が重要です。
たとえば・・・
- 建築業界 → 一級建築士、宅建士などの国家資格が必須・強力。
- 不動産業界 → 宅建士があれば即戦力扱い。
- IT業界 → 基本情報・応用情報で基礎力を示せる。
- 経理・財務 → 簿記2級以上でスタートライン。
- コンサル・企画職 → 中小企業診断士、MBAなどが説得力を持つ。
- 建築業界 → 一級建築士、宅建士などの国家資格が必須・強力。
- 不動産業界 → 宅建士があれば即戦力扱い。
- IT業界 → 基本情報・応用情報で基礎力を示せる。
- 経理・財務 → 簿記2級以上でスタートライン。
- コンサル・企画職 → 中小企業診断士、MBAなどが説得力を持つ。

つまり資格は通貨のようなものです。その資格が通用する市場(業界)を選ばなければ、価値が発揮されません!

「必須」か「歓迎」かを見極める
求人票をよく見ると、資格は2種類に分かれています。
種類 | 意味 | 例 |
---|---|---|
必須資格 | 応募条件を満たす最低限の要件 | 看護師、宅建士、運転免許など |
歓迎・評価資格 | あるとプラスになる加点要素 | TOEIC、簿記、FP、ITパスポートなど |
この違いを理解せず「とりあえず人気資格を取る」と、使えない努力に終わることがあります。
たとえば・・・
「英語を使う予定がない会社」でTOEICを高得点取っても評価されにくい。
「不動産営業志望」で宅建を持っていないと書類で落ちる。

求人票は「その業界で必要とされる現実」を映す鏡です。気になる企業の募集要項を10件ほど分析すれば、取るべき資格の傾向が見えてきますよ!
コスト vs 労力 vs リターンを冷静に比較する
資格選びには「費用対効果」の発想も大切です。
資格 | 難易度 | 学習期間 | 転職市場でのリターン |
---|---|---|---|
MOS | ★☆☆☆☆ | 約1ヶ月 | 事務職で即戦力評価 |
簿記2級 | ★★☆☆☆ | 約3ヶ月~6ヶ月 | 経理・企画系に有効 |
宅建士 | ★★★☆☆ | 約6ヶ月~1年 | 不動産・金融系で必須級 |
中小企業診断士 | ★★★★★ | 約1年~ | コンサル・経営企画で高評価 |
公認会計士 | ★★★★★ | 約2年~ | 高収入・専門職だが難関 |
努力に見合う市場価値があるか?
特に中小企業診断士、公認会計士等は、長期の学習時間が必要となりますので、この「労力に対してどのくらい回収できるか」を考えることが、資格貧乏を防ぐ鍵です。
資格だけでなく、実務経験・成果を伴わせる
資格は入口であって保証ではありません。
面接で評価されるのは、その資格を使って何をしたかです。
例えば・・・
- 簿記2級 → 「経費管理の改善プロジェクトを担当しました」
- TOEIC800点 → 「海外クライアントの折衝経験があります」
- FP2級 → 「顧客のライフプラン提案を行い、成約率を向上」

資格を活かした成果を話せると、 採用担当者は知識がある人ではなく結果を出せる人として見ます。
実務と資格の掛け算が、キャリアのレバレッジです!
併用戦略で強みを倍増させる
一つの資格だけよりも、相乗効果のある組み合わせが最強です。
例えば・・・
- 「簿記 + TOEIC」→ 海外企業の経理職などで希少人材。
- 「MOS + ITパスポート」→ 事務職の中でもDX対応できる人材に。
- 「宅建士 + FP」→ 不動産・保険業界で説得力抜群。
- 「社労士 + 行政書士」→ 独立・開業で顧問業務が拡張できる。
- 「診断士 + 会計士」→ 経営コンサルとしての高付加価値。

資格は点ではなく線で考えることで、キャリアの市場価値を高めるストーリーが生まれます!
実践まとめ:戦略的資格選びのステップ
- STEP1ゴールを決める(どんな仕事・業界で働きたいか)
- STEP2求人を調べる(必須資格・歓迎資格を洗い出す)
- STEP3時間と費用を見積もる(労力とリターンを比較)
- STEP4短期×長期のバランスを取る(すぐ取れる資格+難関資格)
- STEP5実務と組み合わせる(経験を積みながら活かす)
- STEP6ストーリー化する(資格取得の動機と実践を語る)

資格は、キャリアのゴールではないです。
「資格を持っている人」ではなく、「資格を使って価値を生み出せる人」になることこそ、転職成功の最短ルートです。
また資格取得は一人で悶々と勉強するより、通信講座を利用するのがお薦めです!

◆アガルートアカデミーが選ばれる理由◆
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